【全人類必読書】優しさに溢れた本:翻訳できない世界のことば

【紹介する本】翻訳できない世界のことば
@エラ・フランシス・サンダース

翻訳できない世界のことば [ エラ・フランシス・サンダース ]

この本では
様々な言葉が紹介されています。

それらの言葉は、
題名が表すように、

自国語では、
表す言葉が見つからないが、
確かに感じたことがあるような

“翻訳できない言葉”なのです。

言葉に込められた国民性や、
誰しも感じる共通性の部分には
心動かされます。

翻訳できない言葉とは

著書の言葉を借りながら、
言葉の魅力を語らせてもらいます。

まず、幾つかの母音と
シンボリックな音から
言葉が成り立っているように

人の感情というものは、
その組む合わせの範囲でしか
表現できないような気がします。

本書では

「言葉は、真実を、
人の心が映し出す
わずかなものに減少させてしまう」

という、
エッカート・トール氏の言葉を引用し
言葉のネガティブな側面を
表現しています。

しかし、
著者は
「言葉は多くのことを与えてくれる」
といいます。

本著を通して、
僕自身それに非常に共感しました。

本書の魅力

この本で紹介されている
幾つかの言葉を知ることで、

自分が、日本人が、
表現できないような
“ワクワク感”や”切なさ”
としか言いようのない感情から、

言葉では言い表せず、
「〇〇で△△のような、、、」
と比喩でしか
表せない絶妙な言葉までもが

“どこか知らない国”の、
“知らない言葉”が、

しっかり言葉にしてくれている
事実を知ることができます。

世界中で、
それぞれが
異なる文化で生きているけれど
“同じような感情を抱いているものだ”
知ることができます。

そう感じることで、

自分が思っているより
世界を小さく感じることができます。

そして、
同じことに悩み、
同じように感動できる人間なんだと感じることができます。

共感できる言葉

ティーマ@アイスランド語

「時間やお金の準備は
できているのに
それを費やす心の準備が
できていないこと」

ラズリュビッチ@ロシア語

「恋が冷めほろ苦い気持ちになること」

素晴らしいあの気持ちが
色あせることは、
もう止められないことを
悟ったときの、『あの気持ち』のこと。

トレップヴェルテル@イディッシュ語

「後になって浮かんだ
当意即妙な言葉の返しのこと」

直訳すると「言葉の階段」

言葉の階段を下りきってからしか
気付けないものだという
戒めが込められているような
趣のある言葉

国民性が見える言葉

ヴァシランド@スペイン語

「どこへ行くかよりも
どんな経験をするかということを
重視した旅をする」
という動詞のこと。

さすが”大航海時代発端の国”。

この言葉は、
この国、この文化だからこそ
生まれたのだと感じられます。

グルファ@アラビア語

「片手の掌に乗せられるだけの水の量」

アラビア語が
使われる砂漠地帯ならではの
表現だと思います。

サウダージ@ポルトガル語

「心の中になんとなく
ずっと持ち続けている
存在しないものへの渇望や、

また、

愛し失ったものへの郷愁。
単に何かや誰かを惜しむよりも
もっと強い感情。」

この強い感情は
言葉とともに
アートや文学のテーマとして
ニュアンアスが伝播しているようです。

しかし、
真意は日常で使う
彼らにしかわからない特別な
感情のように思います。

本著書で紹介される日本語

わびさび

「盛者必衰。不完全さの中に美を見出すこと。」

わびさびは、
日本人も言葉に直せないものだし、
正しい意味もよくわかりません。

ぼけっと

「何も特別なことを考えずに
ぼんやりと
遠くを眺めている時の気持ち」

著者曰く
「何も考えていないことに
名前をつけるほど、
それを大切にしていることは
素敵なことだと思う」

だそうです。

「そんな大それたものではないですよ。」
と言いたいですが。
確かにぼけっとする時間は特別です。

脳みそにも
めちゃくちゃいいことが、
科学的に証明されているみたいですし。

さすが日本人です。

木漏れ日

「木の葉の隙間から射す光。」

名前がつくということは
特別なものだと感じているということ。

確かに、
木漏れ日を浴びて
不快感を感じることはないと思います。
気持ち良さを感じるものです。

実は、
すごい日本人特有の感性が
そこにはあるのかもしれません。

著書外から斡旋

めんどくさい

「やった方が
いいに決まっているのに
なぜか億劫で
行動できない時の感情」

めんどくさいとは

手間をかける

「時間も労力も余分にかかるけど
それでも間違いなく
良くなることを信じて行う
誇りを持った作業のこと」

手間をかけるとは

 

最後に

日本だけじゃなくて
どこの国でも

同じように
心が動いていることを
知ることができる
素敵な作品でした。

この本のおかげで、
より世界を
身近に感じることができました。

多様性だと
叫ばれる世の中ですが、
違うから、
合わないことばかりではなくて、

同じで、心地よい部分も
持ち合わせていることを
気付くべきだと思いました。

 

それに加えて、
言葉には
“国民性が宿る”ことも
併せて感じました。

日本人だからこそ
大事にしたい感情が
そこにはあります。

特に、
”手間をかける”
”真心込める”

こういった、

「誰かのために
気持ちを込めて丁寧に
時間をかけて
誇りを持って仕事をする文化」

これは、
大切にしなければと
改めて思いました。

みなさん、ご一読を。

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