【一読の価値あり】日米ビジネス30年史を学ぶ

本と生きる




【紹介する本】日米ビジネス30年史@植田統


日米ビジネス30年史 [ 植田統 ]

この本では30年と言いながら
バブル崩壊前の80年代から
まさに今の情勢に至る
2010年代までの40年間の
経済史がまとめられています。

この40年を振り返ることで
今の市場勢力図について
経緯も含めて整理することができ、
どの企業がどうやって成功して
どの企業が失態していったか

そして、
アメリカが世界一の勢いを力強く維持し、
一方で、
日本は見る影もなく衰退していったその理由も
推測することができます。

あくまで事実を並べた話ですので
この本を読んでも
日本や個人がどのように行動すべきか
答えがわかることはありませんが
多くの実例を踏まえて
自分の意見を持つことができます。

日米ビジネス30年史から学べること

日本とアメリカの実力差

結論を言えば
日本とアメリカには埋まらない
経済力の差があります。

それは
日米の株価推移を見れば一目瞭然です
1980から2019年にかけて
日経株価は3倍になったのに対して
米国株価(ダウ平均株価)は24倍になったといいます

この数字からは、
どれだけ既存企業が
市場価値を示し
未来に対して期待されているのかがわかります。

ですから、
日本は40年前と比べて
トータル3倍程度しか
今後に期待されていないということです

この差は、
今の企業規模もありますが、
日本においてベンチャー企業が立ち上がりにくい
ということもあるようです。

これは、
未来に対しての
弾込めが十分でないことが
市場から見透かされているということです。

 

アメリカは、
企業した事業を大手が買収し
起業家が大金を手にし
起業家がそれを元手にさらに
企業を起こしていく
というサイクルが出来上がっているのに対し

日本では
どんなに企業が財布の紐を緩めても
大企業はスタートアップに投資をせずに
有事に備えて蓄えてしまい
お金の流れを止めてしまう
という実態があるようです。

現状
すでに埋まらないほどの差があり
その差を埋めようにも
スタートアップできない
というのが
日本の現状だということです。

各政策の狙いと効果

40年間の間に
日本では総理大臣が
アメリカでは大統領が
代わる代わる登場し
それぞれが施策を打ち立ててきました。

詳細は本書を読んでいただきたいですが
ここでも日本とアメリカの違いが現れます

日本はバブルの余波を収束させるために
小泉元首相の構造改革完了に至るまで
10年以上の年賀つを有していたのに対して

アメリカは
リーマンショッックの影響を
数ヶ月で手を打ったといいます。

そこには
国民性が色濃く現れているので
考えさせられます

諸々の事件の真相

様々な収賄事件の経緯や
各企業の様々なアクションの効果などが
紹介されています

個人的な収穫は
ホリエモンが捕まった原因である
インサイダー取り引きの背景がわかったことです

その時に
ホリエモンが何を狙って
どんなん活動をしていたのか
それを知らなければ
その事件の真意がわからないはずです

ざっくり言えば
ホリエモンは日本経済に
一石投じようとしたようです

もちろんホリエモン自体も
詰めが甘かったところがあるようですが
その動きを良く思わない
人間の思惑もあって
このような結論になったのでは
と著者は言っています。

その結果、
投じた石は静かに川底に沈んでしまい
勢いのない今の日本経済が
継続しているそうです

最後に

あとがきで著者も触れますが
多くの日本人が“資本主義”
もっと噛み砕いた言葉で言えば
“金儲け”を良く思っていない

と言うよりむしろ
“正しく理解していないこと”が
問題だと思います。

 

年金問題で
今の生産世代は自分で
老後の資産を運用しようと
少しずつマネーリテラシーを身につけていますが
それでは不十分だと思います。

日本がもっと豊かになるためには
もっと積極的な動きが必要で
今まで文句を言ってきた部分にも
受け入れるくらいの覚悟が必要なのです。

 

ここからは
さらに個人的な意見が続きます。

今の日本で認知され始めた
小さい副業や資産運用は
無知な日本人を食い物にする
ないしは
外資で儲ける
というものである気がしています。

例えば
もし、外国株投資での長期運用をしているとしたら
そのお金は外国の経済成長に手を貸している
ということになります。

ダメだというわけではないです。

ただ、
その資本を元手に
自分の生活を脅かす兵器を作っていたり
自分の競合企業に塩を送っていたり
そんな結末になっている可能性があるのです。

未来を自分の頭で考えるためにも
改めて今までの流れを
把握してみて欲しいです。

ぜひ一読してみてください。
日米ビジネス30年史 [ 植田統 ]

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