【もはや囲碁漫画ではなかった】王道バトル漫画:ヒカルの碁

ヒカルの碁を読んで、
囲碁がわかるようになるわけでも、上手くなるわけでもない。
なぜなら、ヒカルの碁は囲碁漫画ではなかったから。

これは典型的なバトル漫画なんだ。
ということに今更気付かされた、
2020年ゴールデンウィーク。

もともと、ただの小学生だったヒカルが、
佐為と出会い、囲碁と出会い、
大人になっていく過程を描いた物語。

 

王道バトル漫画「ヒカルの碁」

「囲碁」ってだけで敬遠しちゃいそうなのに、
しっかりジャンプで連載され続けたその魅力は、
まさに王道のバトル漫画だったからに他ならないと思います。

バトルシーンが熱い

心理戦ってわけでも、トリックがあるわけでもない。
囲碁の盤面でバチバチに殴り合うから面白い。

確かに、文字が少ない。
よく考えたら、囲碁の解説が書かれている様子もそんなになく。

ワンピースやナルトの
バトルシーンを見ている時のような
爽快なスピード感で戦いは進んでいく。

ちゃんと「友情」「努力」「勝利」なのがいい。

主人公『ヒカル』の人生をベースに書かれているから、
読み終わってから回想すると、
なるほど。あそこが修行編だったわけか。
って腑に落ちるようなイメージがあります。

 

僕たちが、日々、懸命に生きているように、
ヒカルも日常を懸命に生きている。
今は修行編だぜ!何てヒカル自身も思っていない。
読者もそんなことを感じない。

それくらいリアルに描いています。
本当に人生そのものって感じです。

「負ける」描写が良い

全部を注ぎ込んで「負ける」と、
自分が全否定されてような気持ちになる。
あの悔しさ。

囲碁棋士っていう職業は、
自分の能力一本で勝負していく職業。
勝つか負けるかだけで人生が進んでいく職業。
負けても、否応なしに次がやってくる。
「悔しさ」を本気で描いた上で、
立ち上がる強さも同時に描く。

そこが素敵だと思う。

絵が素敵

漫画の魅力は話の面白さだけじゃなくて、
絵の細部へのこだわりまで楽しめるとこにあると思います。

小畑健が作画ですね。
デスノートや、バクマン描いてる小畑健です。
本当に絵がうまい。
真剣な人間の目を書くのがうまい。

この話で特に作画が素敵だなと思ったのは、
全巻通して、ヒカルの成長に合わせて絵のタッチが全然違うということ。

序盤、まだ小学生のヒカルは「メンドクセー」が口癖のような
よくある小学生。特に何か特筆すべきこともない平凡な小学生。
小学生編の絵はシリアスさのかけらもない、
コミカルなタッチで描かれています。

それから、紆余曲折して成長して
自立していく頃から、あのデスノートで見たような
心が引き締まるようなシャープなタッチに変わっていく。
デビュー当初は絵が下手でした。
みたいな1巻をあえて書いたんだろうなっていう
戦略的な感じもまた良い。

しびれます。

最後に

人生バトル漫画なんだなーって思いました。

ライバルがいて、挫折があって、
立ち上がって、また、戦う。
あの時、その瞬間を本気で生きていたけど、
振り返れば「~~編」でくくれる。

そこで得た仲間も経験もかけがえのないもので、
それがあるから、今の戦いに挑んでいける。

 

「遠い過去と遠い未来をつなげるためにオレはいるんだ」

 

いくつも解釈ができるこの言葉がまたしびれます。

読んだら、感想聞かせてください!

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