【THE 最先端】化学の魅力について

日本で生きる




化学という学問があります。
世の中の物質を構成する原子レベルの
相互作用を解き明かす学問です。

その相互作用を化学反応と呼ぶのですが、
そこにはエネルギーのやり取りがあります。
それは物理式で解き明かされ
難しい物理式は数学によって明らかになります。

すなわち
理屈が初めて、
現象に変わる瞬間が化学反応だ
と言えるかもしれません。
(もちろん物理現象は
物理式の段階で終わりですが)

また、
化学で解き明かした技術を
自在に扱うために機械加工や
電子制御が出てきます。

すなわち
モノづくりというのは
化学反応や物理現象を
制御するための手段でしかないということです。

そう考えると
世界を変えるような
劇的な変化というのは、
モノづくり領域で起こすのは
非常に難しいことが見えてきます。

すなわち、
極端に言えば化学者だけが、
根本的にあたらあしい技術を
生み出せるといっても過言ではないのです。

化学の魅力について

今回お伝えしたいのは
化学という学問を突き詰めるのは
石油堀のようなもので
非常に面白いということです。

世界を変える実力がある

日本で有名な化学を扱うメーカは
東レです。

身近なのはヒートテックの素材なのではないでしょうか。

発熱性のインナーで
アウターを着て防寒するという概念を
ぶち壊しました。

確かに、
その素材を形にして商品化するのも
非常にすごいことなのですが、
その素材を見つけたからこそ生まれた
ブレイクスルーだったと思うと
化学こそが源流なのだ
と言えるのではないかと思います。

化学者だけが気づけることがある

例えば、
炭化物が酸化して水と二酸化炭素になる反応があります
これは燃えるという現象です。

これは、二酸化炭素をだす反応ともいえるし
酸素を使う反応とも言えます。

別の話で言えば、
化学の中には界面化学というものがあります。
界面というのは、物と物の間のことです。

たとえば、
水と空気の界面
皮膚とものの界面
いろいろあります。

小学校の実験で、
水を浮かべたコップの上に
油を浮かべると
中の水が蒸発しなくなる
というものがありました。

これは
水と空気の間に
油の膜を形成して、
水と空気の界面でなく
水と油の界面
油と空気の界面にしたということです

この油の膜は
水を通さないと言えます。

このように、
界面に何かしらの膜をつくることで
何かは通すが何かは通さない
そんな仕組みを作ることができます。

このような選択的な現象が
様々な形で起きていて
それを観測できるのが
化学者という仕事だと言えます

この技術は、
原子レベルでほしいものを捕まえたり
原子レベルでほしい形に組み替えたり
原子レベルでほしいものを生成したりするものです

ですから、
資源不足や、
大気汚染など
足りないものといらないものがあふれている世の中で
大いに活躍できる技術だと考えることができるのです

エネルギー革命をおこす

例えば水を
水素と酸素に分解する現象があります。
学校で習うのは電気分解です。

電気を使えば、
乾電池くらいのエネルギーで
水素を生成できるわけです

この水の分解を
電気ではなく熱エネルギーを使ったらどうなるか
実は、1000℃以上の熱を加えないと
水は分解しないと言います。

つまり、
電気エネルギーを使えるようになって
莫大なエネルギーが節約された
ということになります。

他にも
アルミニウムの精製や
アンモニアの生成など
いろんな分野で技術革新がおこっています。

最後に

どちらを選択的に選びやすいか
どちらの反応が起きやすいかなど
化学の基本は確率論です

そんな中で、
上手に確率を操作するのが
化学者の仕事です。

今の世の中は
CO2などの温室効果ガスが
確率的に出やすい状況なのです。

そこの流れを変えられるアイデアに
化学者ならば根本から関われます。

昔は化学的に成立させても
その実証までに時間がかかるため
ビジネス的には成り立たない
そう考えることも多かったですが

近年は、
実現しそうな技術を手の内化して
いかに世の中に打ち出せるか
それが重要になります。

そういう意味で
化学者の立ち位置も
なかなかいいところまで来てると
言えるのではないでしょうか。

大学院を卒業して数年たちますが
かつて研究分野で取り上げられていたトピックスが
近年のトレンドに乗じて
ビジネスとして顕在化してきていることを知りました。

そう考えると
5年くらい本気で研究に取り組んで
その道の権威となるというのも
悪くない道だといまなら思えます。

日本の大学院生は
就活のためのステップとしてしか
考えていないことも多くあります。
僕自身そうでした。

それではつまらないです。

せっかく与えられた設備と
与えられた時間で
何かを形にする。
その権利がマスター諸君にはあるわけです。

ぜひとも
長い目で見て、
“自分の置かれている立場であれば何ができそうか”
それを見つめ直してみてほしいです。

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